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2024.03.05 コラム

お米づくり・農業は草刈りとの戦い!コストダウンの工夫!

草刈りを、なんとか楽に安く、きれいにできないか、若手が会議して結成。名付けて、なかのたに草刈隊、草刈タイ!

地区の自分でお米を作ったことのないメンバーで若手会議を結成

平成21年の春に、組合長の思いを聞いたことが、大きな転機となった。

”農業政策も毎年のように変化していて、より一層、中谷の農家が一体となって繋がりを強化していかないと、人口が減ったり、外国のお米が安く入ってきたり、厳しい農業が続く。これまでは、過去に自分で田んぼを作ったことのある人が、定年を迎える年になってから引き継ぐ形だが、これからはこの形が続けられるかどうか、経営面を若い柔軟な人にも、考えはじめてもらいたい。”

組合員や組合員の家族の中から、いつも仕事で忙しくしていて、夜遅く帰る働き盛りのある年齢層のメンバーたちが集合。

ここからは組合長が進めることをせず、メンバーだけで現状認識からはじめようと思いましたが、他の誰もが、農業をほとんど知らない。
予備知識も人それぞれで。ただ、市役所、教員、銀行、スーパーバイヤー、販売などの経験をつんだ民間企業経験者、自営業などの面々。最初は誰もが、今年から田植えや稲刈りを手伝わされるのか、そんなのはムリやで!とおもったのが本音。

だれかれ問わず、思いつく事からランダムに自由に意見を出し合った。近くのPR上手なところが実践している、田んぼの中に、コウノトリなどのイメージを書いて、見に来ていただく。これからは災害に強いバイオに着目して、ビルの中で作物のバイオ活用、などなど。

ところが、問題点といった観点からの意見を聞くと、

自分の持ち分相当の田んぼを、毎年、年4回草刈りすることが当たり前になっているが、忙しくて休みを取れない人もたくさん。これからは高齢者だけになる組合員も出てくる。そんな方にも公平にといって、労力を強いる事のないようにしていかないといけないし、脱落した人の分も再割り当てされるようなことでは、困ってしまう。今以上田んぼが増えると、無理になる、という意見が出ました。

確かに中谷農事組合法人は、ほとんど全てが減農薬や無農薬の作物ばかり。コウノトリ舞い降りる田んぼのコシヒカリ六方銀米を独自ブランドでたくさん作っている。コウノトリとの共生を掲げる以上、除草剤をつかったり、畦をコンクリートにするなどの方法はできない。農薬は最低限の使用にとどめているため、他の生産者よりも草刈りに苦しんでいる。それがうまく進んでいないと、隣の田んぼの生産者に迷惑をかけてしまう。

通販草刈隊

なかのたになら、なかのたにだから、できることがあるんじゃないか。

草刈をちゃんとしないと、お米が害虫被害を受け、品質が落ちるのです。自分の田んぼだけではなく、近くの田んぼにも、他の生産者にも迷惑がかかる。その頃は、他の生産者同様で、一人一人が割り当ての面積を、都合つけて刈払機で草刈。草刈りの労賃に、毎年数百万かけているのが実態だった。誰かが言った。

”どうせ一週間すれば生えてくる草、田んぼの畦にお金を撒いているようだ。”

では、ふるさとを守りながら、草刈りする人が楽に、また高齢者に配慮して、近隣からの信用を落とさずに、コスト低減がはかれる方法はないか?しかし、多くの人が草刈り、農業というものはこういうものだと言う。何かと言えばお金がないと言い、とにかく経費を使わないようにと。機械を買うと高価だと思い、ためらってきた。それが当たり前になっていた。辛かった。

そこでそれをテーマに実際に試算をしてみました。

今までは、個々の都合の良いときに草刈りをしていましたが、どんな機械を用意して、いくら使えば、一度に最小何人でどの面積が処理できるか?幸い中谷の圃場は、3反から大きい物は15反分が1枚の田んぼ。こんな見通す限りなかのたにの田んぼのような作業性よい良い圃場はなかなかないはず。これならいけると試算したのが始まり。

次は、実際に区民のみなさんに集まっていただき、説明会をもち、我こそはと、手を上げてもらう草刈隊入隊希望を募ったところ、組合員ではない若手も手を上げてくれた。すごくうれしかったし、今でも、事情ある方以外の脱退はない。これが一つの村の全農家が全て田んぼをだしあって、全国にさきがけて専従を置く事業所をつくりあげた、一集落一農場方式、なかのたにの団結力。

年間予定を組み、年に5回の作業日を設定して共同作業化し、村のみんなで里を守る活動を支援する、農地水(多面的機能支払)資金を活用し、活動人件費を捻出、機械化するために組合でトラクターモアを購入、軽トラック、自走式の草刈機、替え刃、燃料借上料フルセットを借上料とした。みんなの協力で年々、早く、安く、楽に、綺麗になり、若手も協力、高齢者に優しい活動の仕組みができた。このことは、平成27年11月、農業月刊専門誌を発行する農山漁村文化協会の雑誌にも載り、現代農業にも取り上げていただき、有料DVD草刈編で全国農業者へ紹介されるまでになった。

今現在のように、草刈が農業の優先課題だといわれる前。

西日本各地の団体から、草刈隊の視察がたくさん。

28年に入ると、その草刈りのレポートをご覧になった、各地の農業者の団体から視察申込が次々と。兵庫県内、岡山、鳥取、山口、高知、三重、えっ熊本から?

全国の農業者に、環境をまもり、私たちのところから巣立ったコウノトリが、そこでも棲めるようになればと、積極的にPRを続けています。

兵庫県の県庁で、県内農業者にも発表することとなったりもして、視察の団体が各地で、草刈隊を作って活動されています。

結局のところ、私たちの目的は、コウノトリ舞い降りるコシヒカリ六方銀米をお客様に、できるだけコストを下げ、安くお求めいただいて、そういった農業の意義を理解していただき、美味しいと言っていただくこと。農業は草刈との戦い、なかのたには、さらなる改良を繰り返す!時給単価も大幅アップ、こうなってくると、今後は息子や女性からも隊員参加が期待できる、これぞまさに、多面的機能支払!!

もう一つ、若手からの意見が会社としての方向を良いサイクルへと動かしはじめた。

いくら株式会社ではないからといっても、中谷の取り組みを後世に継続させようと思えば、売上を上げること、原価、経費を下げることが大事。経営の基本に立ち返り、それらを再点検しようと試みた。

私たちは、ずっと中谷のお米を食べて育ってきて、親からはうちの米が一番おいしいんだぞ。とお教えられてきた。でも、昔のレストランのように、箸からぽろぽろ米粒が落ちるようなご飯はない。おかずが美味しければ、食卓が家族と一緒で笑顔なら美味しい。それは汗をかいて自分の作った米だからなのか、と思う事も。でも、一体どんな違いがあるのか、食べてみて違いがわかるのか実際にやってみようという意見から、有名コシヒカリブランド、コシヒカリ以外のおこめ、ブレンド米など6種類ほどで炊き比べして試食をした。若手にとっては食べ比べすること自体がこれまでなかった。

そこで気付いたこと。それは六方銀米がまったく別物であったこと。

ビックリしました。驚きの粘り、炊きあげたお米の香り、冷めてもおいしくて。奥さんにも集まっていただいて、同じ試食会をしました。
それでも自信が持てない私たちは、全国の消費者にサンプルを配布して、モニターの意見を集めました。いつもこだわりのお米を食べていらっしゃる方ばかりなので、結果を戴くまですごく心配でしたが、なんと全員から、高得点をいただきました。

こうして、自信をもって販売できることに気づき、インターネット販売に踏み切ったのです。それ以来毎年連続で、年々数多くのご注文を戴くようになりました。単発でご注文のお客様には、通常販売分が途中で完売してしまい、ご迷惑をおかけしてしたこともありましたが、離れることもなく、また新米になったら買っていただける米になった。いまでは、つぎつぎにとどくお客様の声を励みに、六方銀米の田んぼも増やすことができ、毎月美味しいお米をお届けするリピーターがほとんどとなり、順調に販売中です。こうした取り組みの積み重ねで、私たちも中谷で暮らし続けられます。こうした活動の積みかさねで、お客様に納得品質の六方銀米を、安価に早く間違いなくお届けできるのです。

コウノトリ六方銀米

安心安全な米を通販で購入するなら

美味しい米の通販、36年前から、1つの村の全農家。人をつくり、 村をつくり、 未来をつくる一集落一農場方式

会社名 中谷農事組合法人
所在地 〒668-0874 兵庫県豊岡市中谷133-1
電話番号 0120-288-442
Eメール info@nakanotani.com
URL https://nakanotani.com

環境保全型・土地利用型・生物多様性重視の農業を、ラムサール条約登録湿地の中で実践。

大圃場他、管理面積は、令和6年度80ha。 「ひょうご安心ブランド」取得、豊岡市コウノトリの舞ブランド認証で商標登録済。六方銀米は、白米の他、玄米、7分づきもご用意。